化粧品の「ヒト幹細胞培養液」とは?薬機法から解説

「ヒト幹細胞培養液」を配合した化粧品や健康食品の広告では、「ヒト幹細胞培養液」は表現可能でしょうか。 「ヒト幹細胞培養液」とは、ヒト幹細胞を培養する時に出た培養液です。細胞を活性化させ、肌の再生を促す成分です。 この記事では、「ヒト幹細胞培養液」を広告で表現する際の注意点や、「ヒト幹細胞培養液」の効果と広告表現について解説していきます。 薬機法違反になる表現の例や言い換え表現の例も合わせて紹介していくので、広告作りの参考にしてみてください。 「ヒト幹細胞培養液」とは ヒト幹細胞培養液について解説するために、まずは幹細胞について説明していきます。 幹細胞とは、以下の2つの能力を合わせ持つ細胞です。 ・身体の中のさまざまな細胞を作り出す能力(分化能) ・自分と全く同じ能力を持つ細胞に分裂する能力(自己複製能) 幹細胞は簡単に言えば、身体の細胞を活性化させ、組織の再生を促してくれる細胞です。細胞で病気や怪我を治す「再生医療」という治療法で用いられています。 幹細胞の種類は、大きく分けて3種類。 ・ヒト幹細胞 ・植物幹細胞 ・動物幹細胞 幹細胞の中でも、人の細胞から作り出された「ヒト幹細胞」は、安全性が高いことから美容・医療分野で多く用いられています。 人の皮下脂肪から採取した「ヒト幹細胞」を培養する時に抽出した上澄みの液が「ヒト幹細胞培養液」です。そのヒト幹細胞培養液を材料として使用したコスメを「ヒト幹細胞コスメ」と言います。 細胞を活性化させたり再生を促したりする細胞の「培養液」を配合しているものであり、ヒト幹細胞そのものが入っている訳ではないということに注意が必要です。 「ヒト幹細胞培養液」は、細胞を活性化させ、組織を再生する成分が含まれています。 培養液が含まれたヒト幹細胞コスメは、肌の線維芽細胞に働きかけ、皮膚組織の主要構成成分であるヒアルロン酸、コラーゲン、エラスチンを作る力を高めます。ヒト幹細胞培養液に期待できる効果は、皮膚の張りと弾力性をあげる効果です。肌のターンオーバーが促されることで、皮膚が再生し、肌悩みが無くなります。 「ヒト幹細胞培養液」の効果 ・肌にハリが出る ・肌が潤う ・肌のキメが整う さらに発毛効果もあるので、シャンプーなどに使われることも多いです。 さらに詳しく知りたい方はこちら https://ingrebank.com/users/jsln_ingredients/7826 ヒト幹細胞培養液は薬機法違反? 広告に「ヒト幹細胞培養液」という言葉が入っていることは、薬機法違反にはなりません。よって、広告上で「ヒト幹細胞培養液」と表現することができます。「ヒト幹細胞エキス」も同様の表現なので、表現可能です。 ただし、広告で「ヒト幹細胞培養液」と表現する際には、気をつけなければいけないポイントが2つあります。 ・「幹細胞」と「幹細胞培養液」は別のものだと分かるように表現する ・肌細胞に対する直接的な効果を謳うことはNG ポイントを1つずつ詳しく紹介していきましょう。 「幹細胞」と「幹細胞培養液」は別のものだと分かるように表現する 「ヒト幹細胞培養液」が含まれた製品の広告では、消費者が「この製品にはヒト幹細胞自体が入っている」と勘違いしないように表現しなくてはいけません。細胞や細胞加工物については、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」で次のように定められています。 定義) 第二条  3 この法律において「細胞」とは、細胞加工物の原材料となる人又は動物の細胞をいう。 4 この法律において「細胞加工物」とは、人又は動物の細胞に培養その他の加工を施したものをいい、「特定細胞加工物」とは、再生医療等に用いられる細胞加工物のうち再生医療等製品であるもの以外のものをいい、細胞加工物について「製造」とは、人又は動物の細胞に培養その他の加工を施すことをいい、「細胞培養加工施設」とは、特定細胞加工物の製造をする施設をいう 出典:再生医療等の安全性の確保等に関する法律 ヒト幹細胞培養液は、細胞や細胞加工物とは別のもので、成分として扱われます。 「幹細胞抽出液」「幹細胞エキス」などの表現を使う際も同様に、幹細胞自体ではなく、成分だとわかるように表現する必要があります。 肌細胞に対する直接的な効果を謳うことはNG 健康食品の広告で「ヒト幹細胞培養液」を表現する際は、肌細胞に対する効果について謳うことはできません。 健康食品は医薬品ではないので、効果効能について表現すると薬機法違反になります。 化粧品の広告の場合は、薬機法で認められた効果の表現が可能です。 「医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について」の「化粧品の効能効果の表現について」では、効果として使える56の表現が定められています。 (1)頭皮、毛髪を清浄にする。 (2)香りにより毛髪、頭皮の不快臭 を抑える。 (3)頭皮、毛髪をすこやかに保つ。 (4)毛髪にはり、こしを与える。 (5)頭皮、毛髪にうるおいを与える。 (6)頭皮、毛髪のうるおいを保つ。 (7)毛髪をしなやかにする。 (8)クシどおりをよくする。 (9)毛髪のつやを保つ。 (10)毛髪につやを与える。 (11)フケ、カユミがとれる。 (12)フケ、カユミを抑える。 (13)毛髪の水分、油分を補い保つ。 (14)裂毛、切毛、枝毛を防ぐ。 (15)髪型を整え、保持する。 (16)毛髪の帯電を防止する。 (17)(汚れをおとすことにより)皮膚 を清浄にする。 (18)(洗浄により)ニキビ、アセモを 防ぐ(洗顔料)。 (19)肌を整える。 (20)肌のキメを整える。 (21)皮膚をすこやかに保つ。 (22)肌荒れを防ぐ。 (23)肌をひきしめる。 (24)皮膚にうるおいを与える。 (25)皮膚の水分、油分を補い保つ。 (26)皮膚の柔軟性を保つ。 (27)皮膚を保護する。(32)肌を滑らかにする。(33)ひげを剃りやすくする。(34)ひげそり後の肌を整える。(35)あせもを防ぐ(打粉)。(36)日やけを防ぐ。(37)日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ。(38)芳香を与える。(39)爪を保護する。(40)爪をすこやかに保つ。(41)爪にうるおいを与える。(42)口唇の荒れを防ぐ。(43)口唇のキメを整える。(44)口唇にうるおいを与える。(45)口唇をすこやかにする。(46)口唇を保護する。口唇の乾燥を 防ぐ。(47)口唇の乾燥によるカサツキを防ぐ。(48)口唇を滑らかにする。(49)ムシ歯を防ぐ(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。(50)歯を白くする(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。(51)歯垢を除去する(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。(52)口中を浄化する(歯みがき類)。(53)口臭を防ぐ(歯みがき類)。(54)歯のやにを取る(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。 出典:医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について 決められた表現の中に無い、肌を活性化させる・肌の再生を促す・アンチエイジングなどの効果を謳うことはできません。 薬機法で認められているエイジングケアや、肌のハリ、うるおいに関する効果効能の表現に留めておきましょう。 化粧品での違反例 ヒト幹細胞培養液ではなく、ヒト幹細胞が入っていると読み取れる表現は使用できません。 ヒト幹細胞が入っています 肌を活性化させます 肌のターンオーバーを促します アンチエイジング効果 言い換え表現(参考) ヒト幹細胞エキスが配合されています ハリのある肌に 肌のキメを整えます うるおいを与え若々しい印象を 健康食品での違反例 ヒト幹細胞培養液ではなく、ヒト幹細胞が入っていると読み取れる表現はできません。 健康食品で医薬品的な効果を謳うことは、薬機法違反となるので、効果効能に関する表現は不可です。肌など、身体の特定部位を示す言葉も使用できません。 ヒト幹細胞でアンチエイジング ハリのある肌に 肌のキメを整えます うるおいを与えます 言い換え表現(参考) ヒト幹細胞エキス配合 ハリのある毎日を 体の中から美しく 体の内側からみずみずしい毎日をサポート 美容機器、雑貨での違反例 医療機器に含まれない家庭用の美顔器などの美容機器は、医療機器的な効果効能の表現を広告で使用することは認められていません。ヒト幹細胞培養液ではなく、幹細胞が入っていると誤解される表現は使用不可です。身体の特定部位を表す表現や、身体の変化に対する表現も使うことはできません。 ヒト幹細胞でアンチエイジング ハリのある肌に 肌のキメを整えます うるおいを与えます 言い換え表現(参考) ヒト幹細胞培養液が配合されています ハリのある毎日を 若々しく みずみずしい まとめ ヒト幹細胞培養液を配合した製品では、「幹細胞」と「幹細胞培養液」は別のものだと分かるように表現することが重要です。 化粧品の広告に関しては、薬機法で認められている56の効果が表現できます。ただし、肌の再生を促す・肌を活性化させる・アンチエイジングなどの表現は認められていません。 健康食品や美容機器・雑貨の広告に関しては、医薬品的や医療機器的な効果効能を表すと、薬機法違反になります。身体の特定部位を表す表現や、身体の変化に対する表現も使うことはできません。 ヒト幹細胞培養液は、再生医療で用いられ、美容でも高い効果が得られると話題の成分です。しかし、広告で表現する場合には、効果をそのまま伝えることはできません。 効果の表現として使用できるのは、法律で認められている効果の表現のみです。ヒト幹細胞培養液の効果をそのまま表現するのではなく、言い換えて伝えなくてはならないので注意しましょう。 ※違反事例、言い換え表現についてはあくまで参考として捉えてください。表現の違反等の判断については最新の情報を常にアップデートして頂くことが大切です。また、各都道府県の薬務課によって見解が異なりますので、ご理解頂きますよう宜しくお願い致します。

化粧品・健康食品に関する薬機法 「研究結果」の注意点

化粧品や健康食品の広告に、研究結果や臨床データを使用しても良いのでしょうか。 時間をかけて研究を重ねてきた製品であれば、根拠となる研究結果を基に説明したくなるものです。 化粧品と健康食品では、対象となる法律や規制される内容が異なります。 薬機法などの法律を把握し、誇大広告や虚偽広告にならないように注意しなくてはなりません。 化粧品や健康食品の広告に、研究結果や臨床データの使用が可能かどうかと、使用できる場合の注意点について詳しく解説していきます。 化粧品・健康食品の販促に関する法律 化粧品や健康食品の販促活動を行う時には、法律を頭に入れながら広告を作らなければいけません。 化粧品や健康食品の広告に関する法律について、代表的なものをご紹介していきましょう。 薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律) 景表法(不当景品類及び不当表示防止法) 特定商取引法 健康増進法 化粧品を販促する上で一番重視するのは、薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)です。(薬機法については、次の章で詳しく解説。) 薬機法第66条の解釈について書かれたものに「医薬品等適正広告基準」があります。「医薬品等適正広告基準」は、虚偽・誇大広告の禁止について書かれてある解釈。化粧品の広告を作る際の参考にしましょう。 官公庁による法律ではありませんが、日本化粧品工業連合会がまとめた「化粧品等の適正広告ガイドライン」というガイドラインも参考になります。化粧品広告表現に関する具体例が載っており、法律がわかりやすくまとまっているので活用しましょう。 景表法は、商品やサービスの品質、内容、価格等を偽って表示することを厳しく規制する法律。特定商取引法は、事業者による違法・悪質な勧誘行為等を防止し、消費者の利益を守ることを目的とする法律です。 化粧品だけでなく健康食品にも適用されるので、健康食品の販促活動を行う時には「健康増進法」と合わせて内容を把握しておきましょう。 薬機法とは? 薬機法とは、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器、再生医療等製品を規制する法律。 医薬品医療機器等法と呼ばれることもあり、正式名称は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」と言います。 具体的な目的は、医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療用具などについて製造・販売・安全対策まで規制し、その適正化をはかること。 化粧品に関する販促を行う際には、必ず把握しなければいけない法律です。 最近では、2021年8月に改正薬機法が施行され、課徴金制度が導入されました。誇大広告や虚偽広告を作成した人には、課徴金の納付命令がくだされます。 薬機法で規制されているのは、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器、再生医療等製品なので、健康食品は薬機法によって規制はされていません。 しかし、医療品のような効果があるように見せると、健康食品でも医療品とみなされ、課徴金の対象となる可能性があります。 化粧品や健康食品を作った自社だけでなく、広告を掲載したメディアやライター、アフィリエイターも規制対象。 化粧品や健康食品の販促活動を行う際には、薬機法について把握し、誇大広告にならないよう注意しなければなりません。 広告に研究結果や臨床データは使える? 化粧品広告と健康食品の広告では、研究結果や臨床データの扱いが異なります。 ここでは、化粧品広告と健康食品広告に分けて解説していきましょう。 化粧品広告に研究結果や臨床データは使えない まずは、化粧品の広告について解説していきます。 『医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について』によれば、化粧品の広告に研究結果や臨床データを使用することは、原則行わないように定められています。 (3)臨床データ等の例示について 一般向けの広告にあっては、臨床データや実験例等を例示することは消 費者に対して説明不足となり、かえって効能効果等又は安全性について誤 解を与えるおそれがあるため原則として行わないこと。 出典:医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について 研究者ではない一般の消費者は、データや結果の正しい読み取り方がわかりません。 しかしながら、化粧品の広告は、効果について書いてはいけない決まりになっています。 「このデータはつまり、〇〇な効果があったことを示しています」と具体的な説明はできません。説明ができないのに臨床データや研究結果を見せることは、誤解を与えてしまう可能性に繋がります。 さらに、『医薬品等広告に係る適正な監視指導について(Q&A)』でも、以下のような記述が見られました。 また、化粧品等の広告に関する事例については、医薬品等適正広告基準第4の10の医薬関係者等の推せんに抵触するため、「大学との共同研究」との記載は認められない。 さらに、「大学との共同研究」と記載することにより広告全体として効能効果の逸脱となる場合は、医薬品等適正広告基準第4の3(1)若しくは3(2)に抵触することとなる。 出典:医薬品等広告に係る適正な監視指導について(Q&A) 「大学との共同研究」との記載が認められないことから、自社だけでなく、共同での研究を行った場合でも結果を広告に使用できないことがわかります。 健康食品の広告には研究結果や臨床データを使用可能 健康食品の広告に関しては、薬機法の対象とならないため、研究結果や臨床データを使用することもできます。 さらに、『医薬品等広告に係る適正な監視指導について(Q&A)』の共同研究についての広告に関する部分には、次のように書かれていました。 Q3 いわゆる健康食品や化粧品等の広告において、「○○大学との共同研究」や「○○大学との共同研究から生まれた成分」等、大学との共同研究について広告しているものが多々見受けられるが、このような大学との共同研究に関する標榜は認められるか。 A 健康食品の広告に関する事例については、広告全体から判断することとなるが、広告全体の効能効果(暗示を含む。)の標榜が無いのであれば、未承認医薬品の広告と見なさなれないことから、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律による指導対象とはならない。 出典:医薬品等広告に係る適正な監視指導について(Q&A) 化粧品とは異なり、健康食品は「大学との共同研究」について書ける場合があります。 ただし、医薬品的な効能・効果について書くことや暗示することは禁止されているので注意しましょう。 こんな表現ならOK 研究結果や臨床データが書かれていても、身体に対する効果が具体的に書かれていなければ、指導対象にはなりません。 研究結果や臨床データをグラフや表にまとめて載せることは可能ですが、「その結果、こんな効果がみられました」と書いてしまうと指導対象になります。効果・効能についての記述は避けましょう。 まとめ 化粧品と健康食品では、研究結果や臨床データの広告使用に関する可否が異なります。 化粧品では、薬機法により、広告に研究結果や臨床データを使用することはできませんでした。健康食品に関しては、薬機法で規制はされておらず、研究結果や臨床データを使用することもできます。大学との共同研究を広告することも可能でした。 しかし、医薬品とみなされるような表現をすれば、薬機法の対象となります。医薬品的な効果・効能を明示、または暗示することは避けましょう。

化粧品に関する薬機法 肌構造の知識「角質層」「真皮」って何?

化粧品の広告表現において、その製品や成分が肌の奥まで浸透するような広告表現を使って、高い効果があることをアピールしたいと思うことは多いでしょう。 しかし、薬機法では化粧品が「角質層よりも奥まで浸透する」「成分が真皮まで届く」といった広告表現は虚偽・誇大広告として禁止されているため注意が必要です。 本記事では、肌の構造について解説しながら、それぞれの肌構造の名称を使った広告表現と薬機法の関わりについてご紹介します。 肌の構造はどうなっている? まずは、肌の構造について知っておきましょう。 私たちの肌は、外側から表皮と真皮、皮下組織の3つに分類されており、日常的に目にする部分である表皮は肌表面の厚さ0.2mmしかありません。肌の美しさは、これら3つの層がそれぞれの役割を果たしていることで成り立ちます。さらに化粧品によってケアできるのは、表皮の一部分である角質層までです。 そのため、化粧水やクリームを使った外側からのケアだけでなく、食生活の見直しやストレスの解消など、身体の内側からのケアも必要です。 表皮と角質層 表皮は、肌の最も外側の部分です。表皮による水分と油分のバランスによって、肌のみずみずしさ、滑らかさが左右されています。 表皮は、外側から順に次の4つの層に分類されています。 角質層(最も外側:厚さ0.01~0.03mm) 顆粒層 有棘層 基底層 「角質層」は最も外側にあり、基底層が細胞分裂を繰り返して押し上げた古い細胞でできています。 つまり、角質層の細胞は生きている細胞ではないのです。そのため、角質層は時間が経つと垢として自然に剥がれていきます。 美容に関するワードとして知られている「ターンオーバー」は、新陳代謝によって角質層が生まれ変わることを指しています。 ターンオーバーの周期は健康な状態であれば約28日周期と言われていますが、生活習慣の乱れや紫外線、加齢などによって周期が乱れる場合があります。 ターンオーバーの周期が長くなると、古い角質がなかなか失われず、肌のトラブルや乾燥を引き起こすため注意が必要です。 真皮 表皮の下にある真皮は、コラーゲンやエラスチンなどでできた繊維で構成されており、肌の本体にあたる部分です。私たちの肌のハリや弾力は、この真皮が大きく関わっています。 表皮と真皮の大きな違いとして、真皮には毛細血管が存在することが挙げられます。真皮の毛細血管は表皮へ栄養を送り、表皮部分の細胞分裂やターンオーバーをサポートします。 真皮の健康を保つためには、食生活のバランスを整える・睡眠不足をなくす・ストレスを解消するなど身体の内側からケアすることがとても大切です。 皮下組織 肌の構造の中で最も奥に位置しているのが、皮下組織です。皮下組織は多くの脂肪が含まれており、皮膚と筋肉・骨を繋ぐ役割を担っています。もし肌に強い衝撃が加わっても、ひ皮下組織がクッションとなることで筋肉や骨へのダメージから守っているのです。 また、皮下組織の重要な役割として保湿作用も挙げられます。 皮下組織は筋肉との関わりが非常に深い部分です。そのため、適度に運動して習慣的に筋肉を動かすことが皮下組織の健康を保つために重要とされています。 皮膚の機能 皮膚は私たちの身体の約3割を占めており、外部に直接触れる組織です。そのため、身体の健康を維持するための様々な役割を担っています。皮膚の主な役割としては、次の4つが挙げられます。これらの機能は、私たちの生命を守るために必要不可欠です。 過度な水分の喪失、侵入を防ぐ 体温の調節 微生物や物理化学的な刺激から身体を守る 感覚器(触覚)としての役割 また、皮膚の最表面である角質層は、身体の水分を保持する・異物の侵入を防ぐバリア機能を持っています。健康な状態の角質層には、同じ厚さのプラスチック膜に並ぶほど、水分を通しにくい性質があるのです。 もし、角質層のバリア機能が失われてしまうと、皮膚だけでなく全身に影響が及びます。皮膚のバリア機能が正常でなく、異物が皮膚から侵入したことで、アレルギー症状に繋がる可能性もあります。 「真皮まで届く」は薬機法NG? 化粧品の広告において、「真皮まで届く」といった表現は認められていません。 化粧水や美容液、クリームなどの成分が浸透するのは、あくまでも角質層までとされています。そのため、化粧品の成分が承認された範囲を超えて浸透するような広告表現は、薬機法における虚偽・誇大広告と判断される可能性があります。 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。 出典:薬機法第66条 また、化粧品やその成分が皮膚に浸透する場面を画像やアニメーションで表現する場合も、その広告表現が虚偽・誇大広告と判断されないよう十分に注意しましょう。 化粧品等が身体に浸透する場面や作用機序等をアニメーション、模型などを用いて表現する場合は、特に効能効果等又は安全性に関する保証的表現や虚偽又は誇大な表現とならないよう十分注意し、消費者に誤認を与えないこと。 出典:化粧品等の適正広告ガイドライン 「※角質層まで」注意書きの理由 化粧品等の適正広告ガイドラインにおいて、「浸透」等の広告表現は、化粧品の効能効果が確実に起こる・化粧品に承認された範囲を超えるような効果を暗示する可能性があるとして、原則として使用しないこととされています。 ただし、化粧品の効果が作用する範囲が角質層までであることが明記されており、承認されている効能効果の範囲を超えていない場合は、「浸透」の広告表現が例外的に認められています。 浸透等の表現は、化粧品の効能効果の発現が確実であるかのような暗示、及び効能効果の範囲を逸脱した効果を暗示するおそれがあるため、原則として行わないこと。 ただし、作用部位が角質層であることを明記した場合であって、かつ、広告全体の印象から効能効果の保証や効能効果の範囲の逸脱に該当するものでない場合に限って表現することができる。 出典:化粧品等の適正広告ガイドライン 具体的な表現方法としては、次のようなワードであれば化粧品の効能効果が及ぶ範囲が角質層に限定されていることが明示されているため、使用OKとなります。 ただし、「※角質層」と表示しておけば、何でも記載してかまわないという訳ではありません。角質層の奥深くまで浸透することを暗示する広告表現は、薬機法やガイドラインに違反するため使用を避けましょう。 「肌への浸透」の表現は「角質層」の範囲内であること。 [表現できる例]「角質層へ浸透」、「角質層のすみずみへ」 [表現できない例]「肌へ浸透」(「角質層」の範囲内であることが明記されていない)、「肌内部のいくつもの層*  *角質層」、「肌*の奥深く *角質層」 (注釈で「角質層」とあっても「肌内部」「肌の奥深く」という表現は、角質層の範囲を越えて浸透する印象を与えるため不適切) 「肌の内側(角質層)から・・・」(医薬品的) 出典:化粧品等の適正広告ガイドライン 細胞レベル等(角質層を除く表皮、基底層、真皮、皮下組織、遺伝子等を含む)の表現においては、化粧品等の定義や効能効果の範囲を逸脱することになるので行わないこと。 出典:化粧品等の適正広告ガイドライン まとめ 実際に化粧水や美容液が浸透するのは、肌の古い細胞でできている角質層までです。そのため、角質層よりも奥まで化粧品やその成分が浸透するような広告表現は、虚偽・誇大広告として薬機法違反にあたるため注意が必要です。 ただし、化粧品の効能効果が角質層までの範囲であることをしっかり明記する場合は「浸透」等の広告表現が例外的に認められます 肌に使用する製品については、角質層より奥深く効果が影響することを暗示する表現を避けるようにしましょう。

「体質改善」「肌質改善」の広告表現はNG?薬機法・景表法を解説

体質改善をしたいときにサプリメントに頼ったり肌質改善のために化粧水を選んだりする人は少なくありません。 しかし、これらの製品の広告に「体質改善に効果があります」「肌質改善したい方に」といった表現を使うことは薬機法や景表法に違反します。 本記事では、体質改善や肌質改善に関する広告表現の適切な使い方について解説します。化粧品や健康食品、美容機器の広告制作に関わる方は、参考にしていただければと思います。 化粧品の広告で体質改善・肌質改善効能効果の表現はNG 化粧品の広告において体質改善や肌質改善に効果があるような表現は、薬機法によって承認されている範囲を超えているため、認められていません。 (1)化粧品の効能効果について 化粧品の効能効果として広告することができる事項は、後記(2)の表に掲げる効能効果の範囲とする。なお、数種の化粧品を同一の広告文で広告する場合は、それぞれの化粧品の効能効果の範囲を逸脱しないように注意すること。 (2)化粧品の効能効果の表現について 承認を要しない化粧品の効能効果の範囲は、昭和 36 年2月8日薬発第44 号薬務局長通知の別表第1(平成 23 年7月 21 日薬食発 0721 第1号医薬食品局長通知により改正)に記載された範囲とする。 出典:医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について また、「美白」「ホワイトニング」などの表現も、薬機法による承認を受けていません。 これらの表現を広告に使用する際は、次のような決まりの範囲内までに留めることが重要です。 承認を受けた効能効果に基づく表現。(「メラニンの生成を抑え、しみ、そばかすを防ぐ」又は「日やけによるしみ・そばかすを防ぐ」など) メーキャップ効果により肌を白くみせるといった表現。 しばり表現(日焼けによるシミ、ソバカスを防ぐ等)を用いた表現 健康食品広告での体質改善・肌質改善表現は「未承認の医薬品広告」として使用NG 健康食品の広告において、体質改善や肌質改善効果があるような表現を使用すると、「未承認の医薬品広告」を標榜しているとして薬機法違反となります。 (承認前の医薬品、医療機器及び再生医療等製品の広告の禁止) 第六十八条 何人も、医薬品若しくは医療機器又は再生医療等製品であつて、承認認証を受けていないものについて、その名称、製造方法、効能、効果又は性能に関する広告をしてはならない。 出典:薬機法 健康食品やサプリメントはあくまで「食品」であり、医薬品と同じような効果があるような広告表現は認められません。 医薬品と同じような効能効果を健康食品の広告に表示されている場合は、その製品が法律上「医薬品」と判断されてしまいます。 その結果、医薬品として承認されていない製品の広告として薬機法第68条に違反すると考えられているのです。 美容機器は効能効果表現は化粧品と同じ範囲に限り使用OK 美容機器の広告については、化粧品と同じ範囲の効能効果の表現が認められています。化粧品に認められる効能効果の範囲は現在56項目あり、肌に関わる項目については次の表現が挙げられます。 (汚れをおとすことにより)皮膚を清浄にする。 (洗浄により)ニキビ、アセモを防ぐ。 肌を整える。 肌のキメを整える。 皮膚をすこやかに保つ。 肌荒れを防ぐ。 肌をひきしめる。 皮膚にうるおいを与える。 皮膚に水分、油分を補い保つ。 皮膚の柔軟性を保つ。 皮膚を保護する。 皮膚の乾燥を防ぐ。 肌をやわらげる。 肌にはりを与える。 肌にツヤを与える。 肌を滑らかにする。 出典:化粧品の効能効果の範囲の改正について なお、また、上記の表現を逸脱しない範囲であれば広告表示が認められますが、いずれも体質や肌質の改善と誤解されないように気を付けましょう。 化粧品での違反事例 化粧品広告での使用がNGとなる内容には次のようなものがあります。 治療表現(改善、予防、再生) 承認されていない効能効果(体質改善、肌質改善、肌がよみがえる) 症状や病名の記載(皮膚炎、アトピー、蕁麻疹、皮膚がん) 不安を煽る表現(病気の信号ですよ、異性に嫌われる、このままでいいの?) 安全性の保証(安心安全、問題なし、副作用の心配なく、100%) 最大級表現(最高、最大、世界初、日本一) 有名人や専門家が推薦しているとした表現(医師の推薦、厚生労働省) 他社を誹謗中傷するような内容(他社製品よりも優れて、従来よりも) 化粧品広告での言い換え表現例(参考) 化粧品広告で体質改善や肌質改善について表現する際に認められている言い換え表現をまとめました。これらの表現例を化粧品の広告を作成する際に参考にしてみてください。 体質改善、肌質改善を言い換えたい時の具体例 NG:肌質改善 OK:肌にうるおいを与えます NG:肌の色が白くなる OK:寝る前に数分だけぬりこめばOK! NG:シミ、そばかすのできにくい肌に OK:(メーキャップ効果)でシミが目立たなくなる 健康食品での違反事例 健康食品広告での使用がNGとなる内容には次のようなものがあります。 医薬品的な効果効能があるような表現(治療、治る、改善) 身体機能の変化についての表現(体質改善、肌質改善、免疫細胞の活性化) 特定部位を表す表現(肌、自律神経、皮膚) 症状や病名の記載(アレルギー、インフルエンザ、更年期障害、アトピー) 用法用量の指定(夕食後にお飲みください、1日1回必ずお飲みください) 不安を煽る表現(病気の信号ですよ、異性に嫌われる、このままでいいの?) 安全性の保証(安心安全、問題なし、副作用の心配なく) その製品を使うだけで良いといった表現(病院いらず、飲むだけで) 最大級表現(最高、最大、最高峰、日本一) 有名人や専門家が推薦しているとした表現(医師の推薦、国の基準) 他社を誹謗中傷するような内容(他社製品よりも優れて、従来よりも) 健康食品広告での使用が認められる表現 健康食品の広告での使用がOKとなっている表現には次のようなものがあります。 サポート表現(健康維持のために、美容のために) 使用感の表現(飲みやすい、爽やかな香り) 使用には注意が必要となる表現 身体の部位を表すワードに合わせての使用はNGです。 若々しさをケア 美しくありたい 乾燥が気になったら 健康食品広告での言い換え表現例(参考) 健康食品広告で体質改善や肌質改善について表現する際に認められている言い換え表現をまとめました。これらの表現例を健康食品の広告を作成する際に参考にしてみてください。 体質改善や肌質改善を言い換えたい時の具体例 NG:体質改善 OK:若々しさをケア NG:肌質改善 OK:毎日にハリとツヤを NG:免疫力を高める OK:スタミナ補給のために 美容機器、雑貨での違反事例、言い換え表現(参考) 美容機器や雑貨広告での使用がNGとなる内容には次のようなものがあります。 医薬品的な効果効能があるような表現(治療、施術、改善) 身体機能の変化についての表現(体質改善、肌質改善、デトックス) 特定部位を表す表現(肌、自律神経、皮膚) 症状や病名の記載(皮膚炎、便秘、アトピー) 用法用量の指定(毎日5分だけ、就寝前にお使いください) 不安を煽る表現(このままでいいの?、病気の信号ですよ、異性に嫌われる) 安全性の保証(安心安全、大丈夫、副作用の心配なし) その製品を使うだけで良いといった表現(使うだけで、これだけで) 最大級表現(最高、最大、日本一、世界初) 有名人や専門家が推薦しているとした表現(医師推薦、大学教授が承認) 他社を誹謗中傷するような内容(他社製品よりも優れて、従来よりも) 美容機器、雑貨広告での使用が認められる表現 美容機器や雑貨の広告での使用がOKとなっている表現には次のようなものがあります。 サポート表現(健康維持のために、美容のために) 使用感の表現(着けやすい、ぴったり、肌触りの良い) 使用には注意が必要となる表現 身体の部位を表すワードに合わせての使用はNGです。 キレイな毎日を 脂っこい食事が多い方に 美容機器、雑貨広告での言い換え表現例(参考) 美容機器、雑貨などの広告で体質改善や肌質改善について表現する際に認められている言い換え表現をまとめました。これらの表現例を健康食品の広告を作成する際に参考にしてみてください。 体質改善や肌質改善を言い換えたい時の具体例 NG:体質改善 OK: スッキリした毎日を送れる NG:肌質改善 OK: 女子力がプラス NG:身体を引き締める効果 OK:気持ちが引き締まります まとめ 体質改善や肌質改善に効果があるといった広告表現は法律上「医薬品と同じような効能効果がある」製品とされるため、化粧品や健康食品、美容機器の広告に表示することは薬機法違反にあたります。 また、実際の製品よりも優良な効果があるような広告表示は景表法における優良誤認表示にも該当するため注意が必要です。 化粧品や健康食品、美容機器の広告表現は、薬機法や景表法による規制が設けられています。法律に違反した広告表示が重大なトラブルに繋がる事例は多くあるため、広告制作に携わる方は各法律に定められた効能効果の表現方法についてしっかり把握しておきましょう。 ※違反事例、言い換え表現についてはあくまで参考として捉えてください。表現の違反等の判断については各都道府県の薬務課によって見解が異なりますので、ご理解頂きますようお願いいたします。

サロンでよく使用される「髪質改善」は薬機法違反?

髪の毛のケアは、男女問わず多くの人にとって悩みの種となっています。 シャンプーやコンディショナーなどのヘアケア商品や美容サロンには、髪の毛の質感を良くする効果があるといった広告が掲載されています。しかし、髪の毛の質感を改善させるような「髪質改善」というワードは、薬機法や広告ガイドラインに違反するため注意が必要です。 本記事では、化粧品や健康食品、美容機器における「髪質改善」の広告表現について、薬機法や広告ガイドライン等に抵触する理由や言い換え表現について解説します。 化粧品、美容機器の広告に「髪質改善」表示はNG ケア商品であるシャンプーやコンディショナー、ヘアスタイリング剤は、薬機法において「化粧品」に分類されています。 これら化粧品の広告表現は、その製品の効能効果として使用が認められる範囲が定められており、この範囲を超えた過剰な表現は「虚偽・誇大広告」として薬機法違反となるため注意が必要です。 また、頭皮をマッサージする美容機器やヘアケア用の雑貨の広告表現についても、化粧品と同じ範囲の効能効果の使用に限られていることも併せて知っておきましょう。 化粧品や美容機器の広告表現に使用が認められている効能効果のうち、髪の毛に関わる項目には次のようなものがあります。 頭皮、毛髪を清浄にする。 香りにより毛髪、頭皮の不快臭を抑える。 頭皮、毛髪をすこやかに保つ。 毛髪にはり、こしを与える。 頭皮、毛髪にうるおいを与える。 頭皮、毛髪のうるおいを保つ。 毛髪をしなやかにする。 クシどおりをよくする。 毛髪のつやを保つ。 毛髪につやを与える。 フケ、カユミがとれる。 フケ、カユミを抑える。 毛髪の水分、油分を補い保つ。 裂毛、切毛、枝毛を防ぐ。 髪型を整え、保持する。 毛髪の帯電を防止する。 (化粧品等の適正広告ガイドラインより引用) ちなみに、ヘアケア商品において薬用化粧品とされているものは「医薬部外品」とされていますが、それらの広告表現についても承認されている範囲を超えた効能効果を表示することは禁止されています。 サプリメント・健康食品広告に「髪質改善」表示しても薬機法違反に 髪の毛に良さそうな成分のサプリメントであっても、「髪質改善」というワードは広告表現が認められません。 サプリメントや健康食品は法律上「食品」に分類され、髪質改善といった身体の機能に影響を及ぼす目的はないものとされています。 そのため、これらの広告に「傷んだ髪を修復する」といった表示を行うと、「未承認の医薬品」として薬機法違反にあたるのです。 (承認前の医薬品、医療機器及び再生医療等製品の広告の禁止) 第六十八条 何人も、医薬品若しくは医療機器又は再生医療等製品であつて、承認認証を受けていないものについて、その名称、製造方法、効能、効果又は性能に関する広告をしてはならない。 (薬機法第68条より引用) サプリメントや健康食品は普段の食生活のサポート役として使われています。そのため、「食生活が気になる方に」「健康維持のために」といったサポート表現に留めておくのが良いでしょう。 「美容師がおすすめ」表現も不適切 ヘアケア商品の広告を表示するときは、「美容師がおすすめ!」というワードをつい使ってしまいたくなります。しかし、医薬品等適正広告基準では、医師や美容師などの専門家が製品を推奨しているかのような広告表現を禁止しています。 医薬関係者等の推せん 医薬関係者、理容師、美容師、病院、診療所その他医薬品等の効能効果等に関し、世人の認識に相当の影響を与える公務所、学校又は団体が指定し、公認し、推せんし、指導し、又は選用している等の広告は行わないものとする。 ただし、公衆衛生の維持増進のため公務所又はこれに準ずるものが指定等をしている事実を広告することが必要な場合等特別の場合はこの限りでない。 (医薬品等適正広告基準より引用) この「医薬関係者」とは、医師や歯科医師、美容師、理容師、該当する分野の大学教授などが該当します。 美容師は国家資格であるため、美容師がおすすめしていることは効能効果や安全性を保証していると消費者に思われてしまうため、広告として不適切とされているのです。 ちなみに、「美容師と共同開発」というワードはあくまで事実であれば広告への使用が認められる場合があります。 化粧品での違反事例 化粧品広告での使用がNGとなる内容には次のようなものがあります。 治療表現(改善、再生、治る) 承認されていない効能効果(髪質改善、傷んだ髪を修復) 症状や病名の記載(脱毛症、皮膚炎、アトピー) 不安を煽る表現(病気の信号ですよ、このままでいいの?) 安全性の保証(安心安全、100%、必ず効く) 最大級表現(最高、最大、ナンバーワン、絶対) 有名人や専門家が推薦しているとした表現(芸能人もおすすめ、専門家が認めた) 他社を誹謗中傷するような内容(他社製品にはない、今までにない) 化粧品広告での言い換え表現例(参考) 化粧品広告で髪質改善について表現する際に認められている言い換え表現をまとめました。これらの表現例を化粧品の広告を作成する際に参考にしてみてください。 髪質改善を言い換えたい時の具体例 NG:傷んだ髪を修復 OK:傷んだ髪に NG:髪のダメージを再生 OK:ダメージケア NG:髪質改善 OK:髪の質感を整える 健康食品での違反事例 健康食品広告での使用がNGとなる内容には次のようなものがあります。 医薬品的な効果効能があるような表現(改善、再生、甦る) 身体機能の変化についての表現(髪質改善、新陳代謝を活性化させる) 特定部位を表す表現(髪の毛、頭皮、自律神経) 症状や病名の記載(脱毛症、アトピー、更年期障害) 用法用量の指定(夕食後に、1日1回必ず) 不安を煽る表現(病気の信号ですよ、異性に嫌われる) 安全性の保証(安心安全、問題なし、絶対に) その製品を使うだけで良いといった表現(飲むだけで、何もしなくても) 最大級表現(最高、最大、世界初、ナンバーワン) 有名人や専門家が推薦しているとした表現(芸能人がおすすめ、専門家が認めた) 他社を誹謗中傷するような内容(他社製品にはない、いままでにない) 健康食品広告での使用が認められる表現 健康食品の広告での使用がOKとなっている表現には次のようなものがあります。 サポート表現(栄養バランスが気になる方に、美容のために) 使用感の表現(もちもち、爽やかな香り) 使用には注意が必要となる表現 身体の部位を表すワードに合わせての使用はNGです。 ビューティーレベルを底上げ 女子力アップ 健康食品広告での言い換え表現例(参考) 健康食品広告で髪質改善について表現する際に認められている言い換え表現をまとめました。これらの表現例を健康食品の広告を作成する際に参考にしてみてください。 髪質改善を言い換えたい時の具体例 NG:髪質改善 OK:女子力アップに NG:女性ホルモンと同様の効果 OK:女性らしさを出す NG:芸能人も使っている OK:SNSで話題 美容機器、雑貨での違反事例 美容機器や雑貨広告での使用がNGとなる内容には次のようなものがあります。 医薬品的な効果効能があるような表現(改善、治療、修復) 身体機能の変化についての表現(アンチエイジング、髪を補修する) 特定部位を表す表現(髪の毛、頭皮、女性ホルモン) 症状や病名の記載(脱毛症、皮膚炎、アトピー) 用法用量の指定(就寝前にお使いください、1日1回必ずご使用ください) 不安を煽る表現(異性に嫌われる、病気の信号ですよ) 安全性の保証(安心安全、大丈夫、副作用の心配なし) その製品を使うだけで良いといった表現(使うだけで、病院いらず) 最大級表現(最高、最大、最高峰、ナンバーワン) 有名人や専門家が推薦しているとした表現(医師推薦、芸能人がおすすめ) 他社を誹謗中傷するような内容(他社製品よりも優れて、従来の商品にはない) 美容機器、雑貨広告での使用が認められる表現 美容機器や雑貨の広告での使用がOKとなっている表現には次のようなものがあります。 サポート表現(健康維持のために、美容のために) 使用感の表現(ひんやり、温かい、気持ちいい) 使用には注意が必要となる表現 身体の部位を表すワードに合わせての使用はNGです。 生活習慣が気になる方に キレイな毎日を 美容機器、雑貨広告での言い換え表現例(参考) 美容機器、雑貨などの広告で髪質改善について表現する際に認められている言い換え表現をまとめました。これらの表現例を健康食品の広告を作成する際に参考にしてみてください。 髪質改善を言い換えたい時の具体例 NG:髪質改善 OK:髪の毛をしなやかにする NG:サラサラな髪質に OK:サラサラした質感で、クシ通りがよくなる NG:美しい髪質に OK:女子力アップに まとめ ヘアケア商品や美容サロンにおいて、「髪質改善」というワードは身体機能に影響を及ぼす表現として広告への使用が認められていません。 薬機法や広告ガイドラインでは、消費者に誤解を与える恐れのある表現について規制を設けており、健康被害やトラブルから消費者を守る役割を担っています。 近年では虚偽・誇大広告に課徴金制度を設けるなど、薬機法による広告規制はますます厳しくなっています。ヘアケア商品や美容サロンの広告制作に関わる方は、必ず関連の法律やガイドラインを定期的に確認しておきましょう。 ※違反事例、言い換え表現についてはあくまで参考として捉えてください。表現の違反等の判断については各都道府県の薬務課によって見解が異なりますので、ご理解頂きますようお願いいたします。

薬機法違反にならないためにSNSのPR案件で注意することとは

近年、SNSで化粧品や健康食品、エステなどを実際に利用して感想を投稿する「PR案件」が盛んに行われています。ただし、これらの商品やサービスについてのPR表現には、薬機法や景表法によって規制が設けられているのです。 また、PR案件であることを表示せずに行う「ステルスマーケティング」も問題になっています。 本記事では、SNSで化粧品などのPR案件を引き受けるときに注意すべき薬機法について解説します。 PR案件での過剰な表現は薬機法・景表法違反に該当 SNSでのPR案件によるマーケティングは近年ますます活発に行われており、特に化粧品はPR案件数が多いジャンルとして知られています。 ただし、化粧品に対して過剰なPRを行うことは虚偽・誇大広告として薬機法違反となる可能性があるため注意が必要です。 また、医師や医療従事者がその商品の効果効能を保証するような表現や、広告として不適切な内容を投稿することも薬機法によって禁止されています。 (虚偽・誇大広告等の禁止) 第六十六条 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。 医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の効能、効果又は性能について、医師その他の者がこれを保証したものと誤解されるおそれがある記事を広告し、記述し、又は流布することは、前項に該当するものとする。 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品に関して堕胎を暗示し、又はわいせつにわたる文書又は図画を用いてはならない。 (薬機法第66条より引用) 化粧品の効能効果は、消費者庁が認めている56項目の範囲のみに限定されています。PR案件としてSNSで紹介するときも、この範囲を超えない表現方法を心がけましょう。 化粧品の効能効果として広告することができる事項は、後記の〔表3〕化粧品の効能効果の範囲に掲げる化粧品の効能の範囲とし、かつ当該製品について該当する効能の範囲とする。 (化粧品等の適正広告ガイドラインより引用) また、PRする製品の良さを過剰にアピールすること(優良誤認表示)、 事実よりもお得に購入できることをアピールすること(有利誤認表示)は景表法(景品表示法)違反となるため注意しましょう。 サプリメントPR案件で「○○に効く」表現は薬機法違反 サプリメントなどの健康食品は、法律上「食品」にあたります。 そのため、サプリメントのPR案件ではその商品が「○○を治療できる」など、医薬品のような効果効能を表現することは薬機法に違反するため注意が必要です。 (承認前の医薬品、医療機器及び再生医療等製品の広告の禁止) 第六十八条 何人も、医薬品若しくは医療機器又は再生医療等製品であつて、まだ承認又は認証を受けていないものについて、その名称、製造方法、効能、効果又は性能に関する広告をしてはならない。 (薬機法第68条より引用) また、特定保健用食品や栄養機能食品・機能性表示食品については、効果や機能性について消費者庁長官から認められた内容のみの表示をすることができます。認められていない範囲での効能効果表現は同じく法律違反となるため注意しましょう。 薬機法は違反すると罰則や課徴金対象となる 薬機法の広告規制の対象は、広告に関連する「全ての人」と定められています。そのため、SBSでPR案件を投稿するインフルエンサーも薬機法違反によって罰則を受ける可能性があるのです。 薬機法第66条(虚偽・誇大広告の禁止)、第68条(未承認の医薬品の広告の禁止)に違反した場合は、2年以下の懲役または200万円以下の罰金、もしくはどちらも課されると定められています。 第八十五条 次の各号のいずれかに該当する者は、二年以下の懲役若しくは二百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 四 第六十六条第一項又は第三項の規定に違反した者 五 第六十八条の規定に違反した者 (薬機法第85条より引用) さらに、インフルエンサーがPR案件だけでなく販売まで関わる場合は更に重い刑事罰が科せられる可能性もあるため、注意が必要です。 また、2021年8月には薬機法が改定され、課徴金制度も導入されました。課徴金は虚偽・誇大広告が対象となっており、その商品の違反していた期間中の売り上げの4.5%が徴収されます。 第七十五条の五の二 第六十六条第一項の規定に違反する行為(以下「課徴金対象行為」という。)をした者(以下「課徴金対象行為者」という。)があるときは、厚生労働大臣は、当該課徴金対象行為者に対し、課徴金対象期間に取引をした課徴金対象行為に係る医薬品等の対価の額の合計額(次条及び第七十五条の五の五第八項において「対価合計額」という。)に百分の四・五を乗じて得た額に相当する額の課徴金を国庫に納付することを命じなければならない。 (薬機法第75条より引用) PR案件を依頼する企業側は、不適切な広告表現によって罰則や課徴金に加えて商品回収や広告中止などの損害が発生する可能性があります。PR案件に関わるインフルエンサーは、投稿する内容には十分注意しましょう。 ステルスマーケティング(ステマ)は景表法違反となる可能性も インフルエンサーやYouTuberが企業からPR案件を受けたことを隠して商品の宣伝活動を行うことを、「ステルスマーケティング(ステマ)」と呼びます。 ステルスマーケティングは、消費者が広告であると認識できないことから、「インフルエンサーが良いと言っているから良い商品に違いない」と思ってしまいがちです。その結果、優良誤認表示として景品表示法に違反してしまう可能性もあります。 (不当な表示の禁止) 第五条 事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号のいずれかに該当する表示をしてはならない。 一 商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの (景表法第5条より引用) また、健康食品や医療サービスに関するステルスマーケティングは、消費者に適切な使用方法や効果効能がしっかり伝わらず、クレームや健康被害に繋がる場合もあるのです。 宣伝活動を行うインフルエンサーは、消費者とのトラブルを生まないよう、企業からPR案件を依頼された場合はフォロワーに分かりやすく伝えたほうが無難でしょう。 PR案件での不適切な表現は炎上に繋がることも SNSでのPR案件は、法律に違反した広告表現を行うことが発覚すると大きな社会問題に発展する可能性も考えられます。 法律に違反する程の過剰な宣伝活動は、一時的に売り上げや知名度が上昇したとしても、フォロワーや消費者からの信頼を失ってしまいます。 インフルエンサーにとって、SNSでの炎上は自身のブランドにネガティブなイメージを与えるとリスクが考えられます。自分のキャリアを大切にするうえでも、PR案件での広告表現は法律を守り、トラブルの多いステルスマーケティングは避けましょう。 まとめ SNSでは、PR案件で知らないうちに不適切な広告表現をしてしまわないよう注意が必要です。 薬機法や景表法に抵触する表現を行うと、罰則や課徴金の対象となるだけでなく、フォロワーからの信頼も失ってしまいます。 インフルエンサーマーケティングへの参入を考えている方は、PR案件として依頼される商品に関わる法律について、事前に最低限の知識を仕入れておきましょう。

美容室・サロンでの「まつ毛パーマ」の表現は違法?違法にならないための条件とは

「ビューラーを使うのは面倒くさいけど、まつ毛をクルンとさせておきたい!」と思う方は少なくないでしょう。 近年では、1、2ヶ月まつ毛のカールを持続できるまつ毛パーマ施術が美容室やサロンで行われるようになり、まつ毛用のパーマ液も販売されています。しかし、薬機法の規制を超えた方法でのまつ毛パーマ施術も多く、事故やトラブルの元となっているのです。 本記事では、薬機法が定めるまつげパーマの条件について解説します。 まつ毛パーマによる健康被害が急増中 近年まつ毛パーマは人気の施術となっていますが、まつ毛パーマを不適切な方法でおこなったことで、目やまぶたへの炎症が生じるといったトラブルが急増しています。 独立行政法人国民生活センターがまつ毛パーマやまつ毛パーマ液にとる危害情報を調査したところ、次のような健康被害が報告されています。 目が痛くなった 目の周りの皮膚がただれてしまった 角膜に傷がついてしまった パーマ液がまぶたに付き、やけどになった まつ毛が全部抜けてしまった また、次のような要因で薬機法などの法律に違反する形でまつ毛パーマ施術を行っていた事例も報告されています。 医薬部外品である「頭髪用パーマ液」をまつ毛に使用している 美容師免許を持っていない人がまつ毛パーマ施術を行っている 保健所に開設届の提出しないまままつ毛パーマ施術を行っている まつ毛パーマは、目に近いところで施術を行うため、法律上認められていない方法で施術を行うことは重大な健康被害に繋がる恐れがあります。 まつ毛パーマ施術について定められている条件について、しっかりチェックしておきましょう。 医薬部外品のまつ毛パーマ液は薬機法違反 まつ毛に使用するパーマ液として、医薬部外品に定められているパーマ剤をまつ毛用に使うことや広告することは薬機法によって禁止されています。 また、まつげパーマ液の輸入や製造については、現在薬機法上の承認を受けているものはありません。 過去には、医薬部外品の頭髪用パーマ液を別容器に移して、まつ毛パーマ液として販売した男性が逮捕されたという事例があります。 頭髪用パーマ液を「まつ毛パーマ液」として販売することは、薬機法第68条における「承認前の医薬品、医療機器及び再生医療等製品の広告の禁止」の違反にあたります。 (承認前の医薬品、医療機器及び再生医療等製品の広告の禁止) 第六十八条 何人も、医薬品若しくは医療機器又は再生医療等製品であつて、まだ承認又は認証を受けていないものについて、その名称、製造方法、効能、効果又は性能に関する広告をしてはならない。 (薬機法第68条より引用) そもそも、パーマ液を別容器に移して販売すること自体も、薬機法違反となる「小分け販売」に該当するため注意しましょう。 第四章 医薬品、医薬部外品及び化粧品の製造販売業及び製造業 (製造販売業の許可) 第十二条 次の表の上欄に掲げる医薬品(体外診断用医薬品を除く。以下この章において同じ。)、医薬部外品又は化粧品の種類に応じ、それぞれ同表の下欄に定める厚生労働大臣の許可を受けた者でなければ、それぞれ、業として、医薬品、医薬部外品又は化粧品の製造販売をしてはならない。 (医薬品、医薬部外品又は化粧品の種類:許可の種類) 厚生労働大臣の指定する医薬品:第一種医薬品製造販売業許可 前項に該当する医薬品以外の医薬品:第二種医薬品製造販売業許可 医薬部外品:医薬部外品製造販売業許可 化粧品:化粧品製造販売業許可 (薬機法第12条より引用) 一方、「雑貨品」であるまつげパーマ液を使うことは、薬機法違反にはあたりません。まつ毛パーマ施術の際は、医薬部外品として承認を受けていない製品を使用しないことが大切です。 美容師免許を持たない人が施術すると薬機法違反 平成20年に厚生労働省からの通知によると、まつ毛パーマは美容師法に基づく美容行為にあたります。そのため、美容師免許を持っている人しかまつ毛パーマの施術をすることは認められていません。 美容師は「美容を業とする者」をいい、美容師法に基づき厚生労働大臣の免許を得なければならない。 美容師の免許を持たないものは美容を業として行うことはできない。 美容とは「パーマネントウェーブ、結髪、化粧等の方法により、容姿を美しくすること」とされている。美容師がコールドパーマネントウェーブ等の行為に伴う美容行為の一環としてカッティングを行うことは美容の範囲に含まれる。 また、女性に対するカッティングはコールドパーマネントウェーブ等の行為との関連を問わず、美容行為の範囲に含まれる。染毛も理容・美容行為に含まれる。業とは反復継続の意思をもって行うことで、有料・無料は問わない。また、美容師が美容を行う場合には器具やタオル等を清潔に保たねばならない。 (美容師法概要より引用) 美容とはパーマネントウエーブ、 結髪、化粧等の方法により容姿を美しくすることをいうとされており、通常首から 上の容姿を美しくすることと解されているところである。 まつ毛に係る施術を美容行為と位置付けた上で適正な実施の確保を図る。 (まつ毛エクステンションによる危害防止の徹底についてより引用) ちなみに、まつ毛パーマに使用するパーマ液が「雑貨品」であったとしても、美容師免許を持っていない人による施術は違法になるため注意が必要です。 施術を行う店舗は保健所に開設届の提出が必要 まつ毛パーマ施術を行う店舗には、美容所としての要件を満たしており、美容所の開設届を保健所に開設届を提出することが必要です。 美容師は、美容所で美容を行わなくてはならない。ただし、疾病等により美容所に来られない者に対して行う場合や婚礼等の儀式に参列する者に対してその儀式の直前に行う場合、その他都道府県が条例で定める場合には出張して行うことができる。 なお、出張専門で行う美容師も対象者がこの条件を満たす限り可能となる。美容所を開設・廃止するときは、都道府県知事(保健所設置市又は特別区にあっては、市長又は区長)に届け出なければならない。 また、美容所は都道府県知事(保健所設置市又は特別区にあっては、市長又は区長)の使用前の検査確認を受けなければ使用してはならない。 (美容師法概要より引用) 違法な形で美容所を開業してまつ毛パーマ施術を行わないよう、事前に開設届の要件や手続き方法をチェックしておきましょう。 開設届の要件や手続き方法は保健所によって違いがありますが、主に次のような項目についてチェックを受け、美容所として適切であることを認められると受理されます。 衛生管理が適切に行われているか 基準以上の照明設備が揃っているか 開設届の提出されると、その店舗が美容所としての設備が適切がどうか確認するため、保健所職員による実地調査が行われます。 実地調査に合格すると、美容所確認済証が送付されて美容所を開業するための許可が得られます。美容所登録をせずに開業すると、30万円以下の罰金と営業停止を受けるため必ず開設届の提出を行いましょう。なお、自宅でサロン開業を検討している場合も美容所登録が必要です。 まとめ まつげパーマの施術や使用するパーマ液は、薬機法や美容師法によって適切となるための条件が定められています。 また、まつ毛パーマ施術を行う場所は保健所に認められた美容所に限られており、開設届の提出が必要です。薬機法の規制や美容所の開設届けについては、事前に行政書士などの専門家に相談しておきましょう。 間違った方法でまつ毛パーマを行うと、各法律に違反するだけでなく思わぬ事故やトラブルを引き起こす可能性があります。まつ毛や目の周りに行う施術のトラブルは、重大な健康被害に繋がるため特に気を付けましょう。

「CBD」化粧品を広告で表現するには?薬機法を解説

CBD(カンナビジオール)は、大麻草に含まれる成分の一つですが、現在日本国内での販売が認められています。 CBDには沈静化作用やストレスの緩和作用などが期待されており、最近ではCBDが含まれるオイルなどの「CBD化粧品」が販売されるようになりました。ただ、CBD化粧品は国内で販売されてから日が浅いため、広告表現が薬機法に違反しないよう十分に気を付けなければなりません。 本記事では、最近日本でも注目されているCBD化粧品について、薬機法に違反しない広告表現をご紹介します。 CBDとは CBD(カンナビジオール)とは、大麻草に含まれる成分の一つです。日本では大麻そのものの販売や購入は大麻取締法にて違法とされていますが、大麻草の茎や種子から抽出される成分については日本の法律で規制されていません。つまり、CBDは日本国内での販売や購入が認められているのです。 第一条 この法律で「大麻」とは、大麻草(カンナビス・サティバ・エル)及びその製品をいう。ただし、大麻草の成熟した茎及びその製品(樹脂を除く。)並びに大麻草の種子及びその製品を除く。 第三条 大麻取扱者でなければ大麻を所持し、栽培し、譲り受け、譲り渡し、又は研究のため使用してはならない。 (大麻取締法法第1条・第3条より引用) CBDとTHCの違い CBD(カンナビジオール)と同じく大麻草に含まれる成分として、THC(テトラヒドロカンナビジオール)が挙げられます。 CBDとTHCは同じ化学式をもっていますが、原子配置が異なるためそれぞれの構造は違っています。そのため、摂取した際の身体への影響も大きな違いをもっています。 THCは俗に言う「ハイになる」ような精神活性作用があり、マリファナの原料としても知られています。そのため、日本を始め数多くの国で規制の対象となっているのです。 一方、CBDはTHCのような精神活性作用はないと考えられており、日本でも規制の対象ではありません。 WHO (世界保健機構) においてもCBDに乱用の可能性や個人・公衆衛生上での悪影響が確認されていないとの見解を発表しています。ただし、この見解は「絶対に安全である」と保障しているという意味ではありません。そのため、CBDを使用する際は、用法用量を守ることが非常に重要です。 CBDに期待される効果 CBDを摂取することで得られる最も主な効果として、心身のリラックス効果です。特に、日常生活におけるストレスの解消に効果的といわれています。 また、不安障害・うつ・パニック障害など精神的にトラブルを抱えた状態でも、CBDが有効とされています。 これに加えて、CBDは次のような症状の緩和や身体の痛み、かゆみを抑える効果も示唆されています。 関節炎、リウマチ ニキビ、皮膚炎 高血圧 動脈硬化 CBD化粧品と薬機法 CBDを使った製品には、オイルやリップクリームなどの化粧品として販売されているものが多くあります。しかし、CBD化粧品は販売されてからまだ日が浅いため、広告表現が薬機法に抵触しないよう十分な注意が必要です。 薬機法の広告規制の中で、CBD化粧品に最も大きく関わるものは、「その製品が承認・認証を受けていない内容の効能効果を表示してはならない」という部分です。 (承認前の医薬品、医療機器及び再生医療等製品の広告の禁止) 第六十八条 何人も、医薬品若しくは医療機器又は再生医療等製品であつて、承認認証を受けていないものについて、その名称、製造方法、効能、効果又は性能に関する広告をしてはならない。 (薬機法第68条より引用) 化粧品などの製品には、承認を受けた効能効果の範囲が定められています。 そのため、広告表現についても承認を受けた効能効果の範囲内に限られているのです。 CBD化粧品広告に使用NGとなる表現 CBD化粧品の広告において不適切となる表現には、どのようなものがあるのでしょうか。 化粧品において、医薬品と同じような効能効果があるような広告表現は認められません。医薬品と同じような効能効果とは、次のような内容が該当します。 病気や症状の改善や予防の効果といった表現 身体の機能に対して影響があるといった表現 例えば、CBD化粧品にストレス解消や睡眠改善の効果があるといった広告表現は、身体の機能に対して影響があるといった内容にあたるため、薬機法違反となる可能性があります。 (8)本来の効能効果等と認められない表現の禁止 医薬品等の効能効果等について本来の効能効果等とは認められない効能効果等を表現することにより、その効能効果等を誤認させるおそれのある広告を行ってはならない。 (医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等についてより引用) また、「肌荒れやニキビに効く」といった広告表現も、肌の疾患の治療効果や肌質改善といった身体の機能への影響を示しているため、同じく薬機法違反となる可能性が高いと考えられています。 ただし、「肌を整える」「肌にうるおいを与える」といった効能効果は化粧品に対して承認されている効能効果の範囲内であるため、広告へ記載しても問題ありません。詳しくは、厚生労働省が定めている「化粧品の効能効果の範囲について」をチェックしてみてください。 (1)化粧品の効能効果について 化粧品の効能効果として広告することができる事項は、後記(2)の表に掲げる効能効果の範囲とする。 なお、数種の化粧品を同一の広告文で広告する場合は、それぞれの化粧品の効能効果の範囲を逸脱しないように注意すること。 (化粧品の効能の範囲の改正についてより引用) なお、数種の化粧品を同一の広告文で広告する場合は、それぞれの化粧品の効能効果の範囲を逸脱しないように注意すること。(化粧品の効能の範囲の改正についてより引用) 例えば、ニキビや肌荒れに関する効能効果として、次のような表現が認められています。 (洗浄により)ニキビ、アセモを防ぐ(洗顔料)。 肌を整える。 肌のキメを整える。 皮膚をすこやかに保つ。 肌荒れを防ぐ。 肌をひきしめる。 皮膚にうるおいを与える。 皮膚の水分、油分を補い保つ。 皮膚の柔軟性を保つ。 皮膚を保護する。 (化粧品の効能の範囲の改正についてより引用) 「副作用はありません」は虚偽・誇大広告に該当する CBD化粧品だけでなく、全ての化粧品において「副作用はありません」という広告表現は、「虚偽・誇大広告」として薬機法違反にあたります。 (誇大広告等) 第六十六条 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。 (薬機法第66条より引用) また、医薬品等適正広告基準においても、安全性を保証するような表現として不適切とされるため、注意が必要です。 (8)副作用等の表現について 「副作用が少ない」、「比較的安心して・・・」、「刺激が少ない」等の表現は安全性について誤認させるおそれがあるため、使用しないこと。ただし、低刺激性等が立証されており安全性を強調しない場合及び「眠くなりにくい」と表現することは、その製剤として科学的根拠があり安全性の保証につながらない場合に限り認められるが、本基準第4の9「他社の製品の誹謗広告の制限」に抵触しないように注意すること。 (医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等についてより引用) まとめ CBD とTHCは、どちらも大麻草に含まれる成分ですが、精神活性作用のないCBDに関しては日本国内での販売や購入が認められています。 CBDを配合した化粧品は、販売されてから日が浅く、CBDに期待されるような効能効果がまだ承認を受けていないのが現状です。 CBD化粧品の販売や広告制作の際は、薬機法をはじめとする各法律に関する知識を持った専門家のサポートを受けることが望ましいでしょう。

化粧品・健康食品に関する薬機法 広告と論文・研究結果の掲載について

研究に研究を重ね、ついに販売することになった健康食品や化粧品。 お客さまにお伝えしたい商品の「良さ」や「こだわり」はたくさんあることと思います。 広告を作成するとき、お客さまに納得して買っていただきたいという思いから、外部機関との共同研究、商品を使った臨床試験、学会で発表した論文等を、チラシやウェブサイトに掲載したいと考えるかもしれません。しかし、広告には、薬機法・景品表示法・健康増進法に基づいたルールがあります。 今回は、健康食品・化粧品の効能効果や安全性に関する表現方法についてまとめました。 健康食品の虚偽誇大表示 保健機能食品か一般食品かにかかわらず、健康食品の広告は、虚偽誇大表示に注意する必要があります。虚偽誇大表示の規制概要について、一般消費者が当該表示を見たときに持つ印象や期待感と実際の健康保持効果との相違が許容される限度を超えている場合に、虚偽誇大表示等に該当することになります(健康増進法)。具体的にどのような表示が虚偽誇大表示等に該当するかは、消費者庁による「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」(以下「健康食品ガイドライン」)を参考にするとよいでしょう。 健康食品ガイドラインによると健康保持増進効果等に関して事実に相違する表示・人を誤認させる表示は虚偽誇大表示に該当する可能性があると言えます。 事実に相違する表示とは、たとえば根拠がないのに「3ヶ月で10キロやせることが実証されています」と表示したり、体験者の体験談をねつ造したりすることなどがあげられます。 試験結果やグラフの使用方法が不適切な表示 広告や包装容器などにおいて試験結果やグラフを使用すること自体が、虚偽誇大広告にあたるものではありません。 しかし、人を誤認させる表示をしてしまうと虚偽誇大表示等に該当するおそれがあります。 次に具体例を挙げます。 実際には、試験対象者が BMI の数値が25以上のものに限定されているにも関わらず、当該試験条件を明瞭に表示しないことにより、標準的な体型のものにも同様の効果があるかのように表示するなど、試験条件(対象者、人数、摂取方法)を適切に表示しない場合 試験結果を示すグラフにグラフを極端にトリミング(スケール調整)をすることにより、実際の研究結果よりも過大な効果があるかのように表示すること。 実際には、複数の試験結果があるにも関わらず、有意差の大きい試験結果のみを広告等において表示することにより、全ての試験結果において有意差のある結果が得られたかのように表示すること 参考:健康食品の基礎知識「科学的な根拠のある情報とは?」 ほかにも、運動や食事制限をすることなく短期間で容易に痩身効果が得られるかのような表示や、根拠がないにもかかわらず品質に「最高級」や「日本一」などという言葉が使われている表示なども、虚偽誇大表示に該当します。 健康食品の広告における科学的根拠とは 特許番号 特許番号は科学的根拠にはなりません。特許とは、前例のない技術、発明、アイデアなどに対して政府が一定期間の独占権を保証するものです。 科学的な発明に対して特許が与えられることはありますが、特許をとっていることが科学的であることの証明にはなりません。 研究者の発言 「専門家が言っていた」ことは科学的な裏付けにはなりません。なぜなら、1人の専門家が言っているだけかもしません。 通常「科学的根拠」とされる情報は、学術論文としてすでに発表されているものになります。 専門誌に掲載済の学術論文 信頼のおける情報ではありますが、それは「現時点での評価」にすぎません。今後研究が進めば、現時点での論文とは異なる見解の内容に変わることもあります。近年では技術の進歩により、実験法などが改良されるスピードも早くなり、新しい研究結果が蓄積されています。 科学的根拠の信頼性を保つためには、常に新しい情報をチェックする必要があります。 参考:健康食品の基礎知識「科学的な根拠のある情報とは?」 化粧品の広告 化粧品の広告においては、薬機法や医薬品等適正広告基準により、効能効果について記載できる表現が56項目と決められています。 では、決められている56項目さえ守っていれば問題ないのかというと、答えは、ノーです。 認められた効能効果なのですが、その記載のしかたについても注意していく必要があります。 また、化粧品の製造販売会社は安全性について厳しくチェックしており、安全性を消費者に強く訴求していきたいところですが、「安心・安全」などの言葉は消費者に誤解を与えやすいので制限されています。 効果効能を保証するような表現は原則禁止 化粧品の広告において56項目の効能効果について記載する場合、その効果が出ることを保証するような表現は認められていません。 また、その化粧品が安全であることを保証する表現も認められていません。 (5)効能効果等又は安全性を保証する表現の禁止 医薬品等の効能効果又は安全性について、具体的効能効果等又は安全性を摘示して、それが確実である保証をするような表現はしないものとする。 出典:医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について 化粧品広告において、効能効果等又は安全性を保証する表現は、原則禁止とされています。 つまり、原則禁止ということは例外もあるのです。 禁止される具体例 では、具体的にどのような表現が禁止されるか見ていきます。 化粧品の一般的な表現の場合、性別や年齢、その他の条件を問わず、効能効果が確実であること又は安全であることを保証するような次の表現は認められません。 一般的な表現 安全性は確認済みです 安全性の高い商品です 自信をもっておすすめします よく効きます 安心してお使いください これさえあれば肌の悩みを解決できます データや実験例の表示 化粧品の開発においては、実験を繰り返すことで膨大な臨床データを取っていることが多いです。 しかし、データや実験例については、たとえ事実であっても広告表現としては認められません。 臨床データや実験例の使用 臨床データ等の例示について 一般向けの広告にあっては、臨床データや実験例等を例示することは消費者に対して説明不足となり、かえって効能効果等又は安全性について誤解を与えるおそれがあるため原則として行わないこと。 出典:医薬品等適正広告基準 具体的には次のような、記載方法が禁止されます。 臨床データによって、100人中97人の肌荒れが改善されました。 データや実験例は、ある一定の条件下での数字に過ぎないので、購入した消費者が同じ結果が出るとは限りません。消費者にとっては、効果が出るものだと誤認するおそれがあります。そのため、様々な臨床データやテスト結果があったとしても表記はせずに、臨床試験をした事実の表示で止めておきましょう。 ここで、化粧品の開発には、広告表現で記載する効能効果のデータを用意する必要があります。 この資料がないと、たとえ認められた56の効能効果の範囲内で薬機法的には問題がない場合でも、景品表示法の優良誤認として不当表示となるおそれがあります。 まとめ 健康食品や化粧品の広告は、各法律で効能効果や安全性について表現を細かく制限しています。 広告が問題となったら販売会社への信用問題となり、会社はイメージダウンするだけでなく、売上にも影響が出てきます。また、信頼回復にはかなりの時間と労力を費やすことになってしまいます。消費者に商品の魅力を存分に伝えながら誤解を与えない適切な薬事広告を作成していきたいものですね。

サロン広告で気を付けるべきあはき法とは?事例と併せて解説

あはき法は、昭和22年に制定されました。 あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律のことです。 あん摩マッサージ指圧師 はり師 きゅう師 これらの頭文字からそう呼ばれており、医師以外が施術する場合、それぞれ免許が必要であるというものです。 マッサージは医療行為に類似するため、施術する者は国家資格が必要になります。 サロン広告で気を付けるあはき法 マッサージという言葉はよく使いますが、広告宣伝する場合、国家資格を持つ者しか公言できません。 リンパマッサージ師やセラピストなど、エステサロン等の施術者は民間資格となります。 セラピストは人の健康に害を及ぼすことがないという前提で、法律で規制される職業ではなく、自由業という分類になっています。 医師ではないこと 治療を行う病院ではないこと 医療行為ではないこと このポイントを忘れないことが重要です。マッサージと謳える者はあん摩マッサージ指圧師の資格者です。 整体やエステサロン等は国家資格は必要ないので、接骨やマッサージと広告することはできません。もみほぐしやボディケア、トリートメント、メンテナンス、リラクゼーションなどの表現が使われていますね。 「〇〇に効く」や「〇〇が改善する」といった治療のような目的で広告することは認められませんので、施術内容と一般の生活者の認知に齟齬がないよう考えましょう。 あはき法の違反事例 マッサージと広告宣伝しているエステサロンで、施術者が無免許で摘発される事例は少なくありません。 電気治療など、医療行為にあたる施術を医師免許がない者が行うことは違反です。利用者が健康被害を訴えた場合、業務上過失傷害の罪を負うことにもなりかねません。 2012年5月に大規模な違反で逮捕された事例を紹介します。 2004年に開店したエステサロンは、脱毛界の神様と呼ばれ、売り上げは10億に上っていました。全国で17店舗展開し、エステサロンの会長とその甥は医師でしたが、光線を使って毛乳頭を破滅する脱毛を施術していたのは医師免許のない従業員でした。東京豊島区の会長の医師、甥にあたる医師、そして従業員6名が逮捕される事件になりました。 ポイントは施術の内容にあります。 医療行為に当たる「毛乳頭を破滅する脱毛」の施術は医師免許を持つ者、または医師の指導のもとで正看護師のみとなります。このように施術者と内容のガイドラインによく注意する必要がありますね。 ではここで、エステサロンの広告表現に関する法律をまとめてみます。 医師法 あはき法 薬機法 景品表示法 医師法、あはき法に関しては上で述べたように、医療行為にあたる施術は医師、マッサージ等は医師のほかあん摩マッサージ指圧師の国家資格を有する者しか認められないというものです。 薬機法は、サロンで使用する美容機器や化粧品についての広告表現に関わってきます。治療のような医療機器的な表現、効果効能は認められません。 施術の効果としては、化粧品の効果効能の範囲内となります。 サロンで販売する美容機器、化粧品、健康食品の扱いにも注意しましょう。景品表示法は、一般の生活者に合理的な根拠を実証できるかがポイントになってきます。 まず優良誤認表示について 体験談やレビューの内容だとしても、施術のみで効果が出たという表現は誤認になります。広告表現に使用できるものは、客観的に実証されている内容であることを頭に入れておきましょう。 優良誤認の違反事例をみてみます。 平成28年6月、小顔サービスを提供していた事業者に措置命令が出されました。この事業者は独自の小顔矯正法により、1回の施術で顔幅を縮めることや何回も通う必要はなく、アフターケアとして2~3回で固定するなどと表示していました。 1回で小顔になり、それが持続するという広告表現は合理的根拠に基づかないと判断され、消費者庁から勧告を受けました。独自の小顔サービスに関しても注意が必要です。 整体やエステサロンにおいて、骨を動かす、骨格を変える、マッサージなど合理的な根拠が認められない表示をすることは、医師法と景表法(優良誤認)に抵触する可能性があります。施術が医療行為の範囲にあたる内容の場合は、法的な条件を満たす必要がありますので、よく確認しましょう。違反することがないようにしてください。 最後に有利誤認表示について これは主に価格表現に関することです。 よく目にする二重価格ですが、通常〇〇円や定価〇〇円のところ「今だけ○○%OFF」や「今だけ〇〇円」としている表示には注意です。この表現は、一定期間の販売実績がないと表示可能にはなりません。消費者庁の定める「価格表示ガイドライン」を遵守しましょう。 二重価格表示 | 消費者庁 (caa.go.jp) 出典:消費者庁ホームページ 補足ですが、過去の販売価格を比較対照価格とする場合、「最近相当期間にわたって販売されていた価格」とされています。 一般的に最近とは8週間、相当期間とは過半期間を指すので4週間となります。セール開始日から遡ってこの期間の価格を参考にしてください。 「期間限定」キャンペーンを何度も実施したり、延長したりする「期間限定」キャンペーンを期間を書き換えて継続する こういった表示は違反になりますので気を付けてください。 最後に、返金保証サービスを実施する場合の注意点があります。 「ご満足いただけなければ全額返金」などと広告表示する際は、返金に応じる条件について明記する必要があります。ここでいう満足という表現は、効果効能ではなく使用感のことを指します。 まず、「効果がなければ返金」など医療行為を暗示させる表現でないことを確認します。そして返金対応が、どういった条件のもと実施されるかという内容を必ず掲載してください。無条件で返金されるという誤認につながる場合、有利誤認表示となってしまいます。〇日間以内など、具体的な内容や範囲の情報が必要です。返金保証サービスの表示とかけ離れた位置に掲載したり、小さく見えにくい大きさでの表示も誤認につながる可能性がありますので気を付けましょう。 まとめ これまで、サロン広告において気を付けたいことについて述べました。 国家資格でなく民間資格で開業される方や、サロンの広告宣伝を行う場合、医師法やあはき法という法律が関わってくることを忘れないでおきましょう。広告としてマッサージと公言することは避けましょう。 また、サロンの施術内容が医療行為、治療にあたると誤認されないように注意しましょう。効果効能については、化粧品の範囲内を参考にしてください。 サロン広告に関わる法律は以下4つあります。 医師法 あはき法 薬機法 景品表示法 サロンで扱う健康食品、化粧品、美容機器は、医薬品や医療機器と誤認されないように紹介しましょう。他社サービスと差別化するような誇張した表現には注意してください。体験談であっても、合理的根拠が認められる内容でなくてはなりません。 最後に、販売価格は消費者庁の「価格表示ガイドライン」を必ずチェックしてください。 期間限定価格やキャンペーンは、セール開始日以前の8週間のうち、4週間以上販売していた価格が比較対照価格となります。 今だけお得という広告を行う頻度や期間も注意する必要がありますので、開催時期や価格は記録しておきましょう。 返金保証キャンペーンを実施する場合は、返金に応じる具体的な条件もあわせて明記してください。