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最終更新:2023/01/14

インフルエンサーコスメも薬機法の対象?YouTubeやSNSに注意

健康食品会社の社員がSNS・YouTubeで情報発信するときの注意点

SNSの普及により、インフルエンサーという言葉を耳にする機会が増えたのではないでしょうか。インフルエンサーとは、influence(影響・効果)という英語が語源で、世間や人の思考や行動に大きな影力のある人物のことをいいます。
芸能人やモデル、特定の分野の専門家、スポーツ選手、ユーチューバー、インスタグラマーなどのインターネット上で影響力のある方が多いです。

最近では、企業がインフルエンサーと組んで、インフルエンサーが監修した化粧品をプロデュースするケースが増えています。
本記事では、インフルエンサーが監修した化粧品をインフルエンサーコスメと呼びます。インフルエンサーがYouTubeやInstagramなどのSNSで、他社製品と比較するコンテンツを見たことがある方も多いのではないでしょうか?
実は、インフルエンサー自身が他社製品と比較して発信しまうと薬機法違反になってしまうのです。また、「薬機法の都合で言えませんがすごいです」というような、薬機法を逆手に取ったような表現もNGです。
他にもNGとなる表現例はたくさんありますが、基本的には、薬機法で定められた効能効果以外の表現や、医薬品的と誤認するような表現、事実と異なる表現を行わないことが重要です。ここからは、インフルエンサーと組んで商品を販売する企業様向けに、薬機法の注意点を解説いたします。

インフルエンサーコスメとは?

YouTubeやInstagram、TwitterなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)が普及したことにより、消費者が商品やサービスを購入する際にSNSを参考にする場面が増えました。 消費者のSNSの活用が増えたことを受け、企業がインフルエンサーを起用して商品の情報を効果的に発信していくことが増えました。
インフルエンサーを起用したPR戦略のことをインフルエンサーマーケティングといいます。
代表的な例としては、スキンケア化粧品やコスメがあります。 広告などで「〇〇監修コスメ」「〇〇プロデュースコスメ」など、〇〇の部分にモデルや芸能人、有名なインフルエンサーの名前が入ったものを見かけたことがある方も多いのではないでしょうか?
このように、企業とインフルエンサーが組んでプロデュースした商品のことを
「インフルエンサーコスメ」といいます。

化粧品の販売で気をつけるべき薬機法

近年、SNSを利用した広告が非常に多くなっている中、特に化粧品業界では、インフルエンサーを起用したWEB広告を使用するケースが多いです。
ここでは、化粧品の販売において気をつけるべき薬機法について説明いたします。薬機法とは、正式名称は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」で厚生労働省が管轄しています。薬機法の規制対象は、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器、再生医療等製品で、これらの品質、有効性、安全性を確保することなどにより、保健衛生の向上を図ることを目的としています。規制対象となる化粧品の具体的な商品としては、一般的な化粧品・シャンプー・スキンケアなどの、身体を清潔にして美化するものがあります。

薬機法第2条3項により化粧品は下記のように定義されています。

この法律で「化粧品」とは、人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌ぼうを変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なものをいう。ただし、これらの使用目的のほかに、第一項第二号又は第三号に規定する用途に使用されることも併せて目的とされている物及び医薬部外品を除く。

*引用元:**昭和三十五年法律第百四十五号 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律*厚生労働省

一般の化粧品で、医療品と同等の効果を謳うことは認められていません。一般化粧品で表現できる効能、効果は、薬機法で定められており、それを超えた表現をすることは、規制の対象となる恐れがあるため、注意が必要です。
広告を作成する際は、
「化粧品等の適正広告ガイドライン」に定められた56項目の表現を参考にして作成すると良いでしょう。

【化粧品等の適正広告ガイドライン】

(1)頭皮、毛髪を清浄にする。

(2)香りにより毛髪、頭皮の不快臭を抑える。

(3)頭皮、毛髪をすこやかに保つ。

(4)毛髪にはり、こしを与える。

(5)頭皮、毛髪にうるおいを与える。

(6)頭皮、毛髪のうるおいを保つ。

(7)毛髪をしなやかにする。

(8)クシどおりをよくする。

(9)毛髪のつやを保つ。

(10)毛髪につやを与える。

(11)フケ、カユミがとれる。

(12)フケ、カユミを抑える。

(13)毛髪の水分、油分を補い保つ。

(14)裂毛、切毛、枝毛を防ぐ。

(15)髪型を整え、保持する。

(16)毛髪の帯電を防止する。

(17)(汚れをおとすことにより)皮膚を清浄にする。

(18)(洗浄により)ニキビ、アセモを防ぐ(洗顔料)。

(19)肌を整える。

(20)肌のキメを整える。

(21)皮膚をすこやかに保つ。

(22)肌荒れを防ぐ。

(23)肌をひきしめる。

(24)皮膚にうるおいを与える。

(25)皮膚の水分、油分を補い保つ。

(26)皮膚の柔軟性を保つ。

(27)皮膚を保護する。

(28)皮膚の乾燥を防ぐ。

(29)肌を柔らげる。

(30)肌にはりを与える。

(31)肌にツヤを与える。

(32)肌を滑らかにする。

(33)ひげを剃りやすくする。

(34)ひがそり後の肌を整える。

(35)あせもを防ぐ(打粉)。

(36)日やけを防ぐ。

(37)日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ。

(38)芳香を与える。

(39)爪を保護する。

(40)爪をすこやかに保つ。

(41)爪にうるおいを与える。

(42)口唇の荒れを防ぐ。

(43)口唇のキメを整える。

(44)口唇にうるおいを与える。

(45)口唇をすこやかにする。

(46)口唇を保護する。口唇の乾燥を防ぐ。

(47)口唇の乾燥によるカサツキを防ぐ。

(48)口唇を滑らかにする。

(49)ムシ歯を防ぐ(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。

(50)歯を白くする(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。

(51)歯垢を除去する(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。

(52)口中を浄化する(歯みがき類)。

(53)口臭を防ぐ(歯みがき類)。

(54)歯のやにを取る(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。

(55)歯石の沈着を防ぐ(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。

(56)乾燥による小ジワを目立たなくする。

注1)例えば、「補い保つ」は「補う」あるいは「保つ」との効能でも可とする。

注2)「皮膚」と「肌」の使い分けは可とする。

注3)( )内は、効能には含めないが、使用形態から考慮して、限定するもので ある。

引用:化粧品の効能の範囲の改正について|厚生労働省

薬機法には違反行為の抑止を図る目的で課徴金制度も設けられており、違反すると売上額に応じて課せられます。虚偽・誇大広告をしないように注意しましょう。

YouTubeやSNS、ライブ配信での発言にも注意

最近では雑誌や新聞、Web広告以外にも、YouTubeやSNS、ライブ配信などでインフルエンサーが商品の紹介をする機会が増えてきました。YouTubeやSNS、ライブ配信で化粧品について発言する際に、薬事法は関係するのでしょうか?YouTubeやSNS、ライブ配信で情報発信するインフルエンサーも薬機法の対象となります。
薬機法では規制対象が何人も、となっているため、インフルエンサーが情報を発信する場合も薬機法を意識する必要があります。

第六十六条 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。

2 医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の効能、効果又は性能について、医師その他の者がこれを保証したものと誤解されるおそれがある記事を広告し、記述し、又は流布することは、前項に該当するものとする。

3 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品に関して堕胎を暗示し、又はわいせつにわたる文書又は図画を用いてはならない。

引用:厚生労働省「医薬品等の広告規制について」

例えば、一般の化粧品であるにもかかわらず、医薬品のように治療効果があると発信した場合は薬機法違反になる可能性があります。

こんな表現に要注意

インフルエンサーがSNSなどで化粧品について情報配信する場合も、薬機法に気をつけて情報発信しなければなりません。
他の広告で表現をする際と同様に、一般化粧品において下記のような表現はNGです。

・この美容液を使うと肌が白くなります

・この化粧水をつけると、シミが出来にくくなります

・毛穴が小さくなります

・くすみがなくなります

ファンデーションなどによるメーキャップ効果で、肌を明るい印象にするという表現は可能になります。化粧品の効果で肌が白くなるという表現や、シミやソバカスを予防する表現は、医薬品的な効能効果とみなされて、薬機法違反になる可能性が高いので気をつけましょう。

他社との比較広告

他社と比較するような広告を見たことがあるかと思いますが、化粧品において他社比較することは、薬機法で規制されています。
業界基準である化粧品適正広告ガイドラインでも製品の比較広告を行う場合は、自社製品の範囲で行い、その対象製品の名称を明示した場合に限定し、明示的であると暗示的であるかを問わず、他社製品との比較広告は行わないことと規制されています。
化粧品においては他社製品との比較をすることができず、自社製品しか比較をすることができません。他の業界で特定の会社の名前をあげて比較したり、A社、B社などと表示したりする広告表現もできません。漠然と比較する場合も表現が制限されていますので注意が必要です。
また、化粧品や医薬部外品においては他社製品の誹謗中傷をすることも禁止されています。

9 他社の製品の誹謗広告の制限医薬品等の品質、効能効果、安全性その他について、他社の製品を誹謗するような広告を行ってはならない

引用 :厚生労働省「医薬品等適正広告基準の改正について」

下記は他社製品の誹謗広告に抵触する表現例です。

①他社の製品の品質等について実際のものより悪く表現する場合

例:「他社の口紅は流行おくれのものばかりである。」

②他社の製品の内容について事実を表現した場合

例:「どこでもまだ××式製造方法です。」”

引用:厚生労働省「医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等」

他社製品と比べた表現をしている比較広告に関して、注意喚起をしており、製品同士の比較広告を行う場合は、自社商品の範囲で、その対照製品の名称をしっかり明示する場合に限定しています。

製品同士の比較広告を行う場合は、自社製品の範囲でその対照製品の名称を明示する場合に限定し、明示的、暗示的を問わず他社製品との比較広告は行わないこと。この場合でも説明不足にならないよう十分に注意すること。

引用:厚生労働省「医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等」

「薬機法の関係で言えない」もNG

薬機法で規制されて化粧品の効果、効能についてオーバーな表現ができなくなった影響で、薬機法の規制を逆手に取った表現をする方も出てきています。「薬機法の関係で言えませんが、この商品はすごいです」といった表現です。薬機法では、人への効能効果を謳えないという決まりがあり、商品の効果に対して、消費者に誤解を与える表現はできないので、「薬機法の関係で言えない」という表現はできません。

まとめ

最近では、YouTubeやInstagram、Twitterなどでインフルエンサーが化粧品についてPRの情報発信をする場面が増えてきました。
それに伴い、インフルエンサーが企業と組んで化粧品をプロデュースする機会も多くなっています。 インフルエンサーが監修したコスメのことを「インフルエンサーコスメ」といいますが、 インフルエンサーコスメのPRを、SNSなどで情報発信する場合も薬機法に注意して表現する必要があります。 一般化粧品の効能効果について表現する場合は、「化粧品適正広告ガイドライン」で
定められている56項目を参考にして情報発信する必要があるでしょう。
インフルエンサーがYouTubeやInstagramなどでライブ配信する場合も、薬機法の規制対象になります。 また、他社商品との比較や誹謗中傷することも認められていません。 「薬機法の関係で言えないが、すごい商品です」というニュアンスの表現もNGなので注意が必要です。 情報発信をする際に、気が付かないうちに薬機法違反にならないように、常に薬機法を意識すると良いでしょう。

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